英単語が全然覚えられない子に試してほしい「感情記憶」活用法

英単語 覚え方

英単語が全然覚えられない子に
試してほしい「感情記憶」活用法

何回やっても覚えられない…そんな子には、感情と結びついた記憶術が効果的です。
笑い・驚き・共感を使って単語を定着させる方法を紹介します。

「覚えられない」の本当の原因

「cat、dog、apple…」と単語カードを見せても、すぐ忘れてしまう。そんなお子さんをお持ちの親御さんはいませんか?

覚えられない原因はいくつかありますが、よくあるのが「感情が動いていないまま覚えようとしている」というケースです。脳にとって、感情の動きのない情報は「重要じゃないもの」として処理されやすく、忘れやすいのです。

逆に言えば、感情と結びついた記憶は長く残りやすい——この特性を使わない手はありません。

感情と記憶の関係

扁桃体と海馬のはたらき

脳には「扁桃体(へんとうたい)」という部位があり、感情の処理に深く関わっています。そして記憶を長期的に保存する役割を持つ「海馬(かいば)」と密接につながっています。

感情が動いた出来事(うれしかったこと・びっくりしたこと・笑ったこと)は、扁桃体が活発になり、海馬での記憶定着を促す仕組みがあると考えられています。これが「感情記憶(emotional memory)」の考え方です。

McGaugh, J. L. (2000). Memory—a century of consolidation. Science, 287(5451), 248–251. 感情が記憶の固定(consolidation)を促進するメカニズムについて論じた重要論文。ただし詳細なメカニズムは現在も研究中であり、「感情があれば必ず覚える」というほど単純ではありません。

難しい話は置いておいて、実感として「感動した映画のセリフは覚えている」「笑った出来事はよく思い出せる」——これはほとんどの方に経験があるはずです。学習でもこれを使えます。

英単語学習への応用

単語を単独で「apple=りんご」と丸暗記するのではなく、笑える・おかしい・びっくりするような文脈に置くと、感情が動き、記憶に残りやすくなります。

感情記憶を使う5つのテクニック

テクニック1:バカバカしい例文を作る

「I eat a cat for breakfast.(朝ごはんに猫を食べる)」のような、ありえないけど笑える例文を作ります。おかしくて、頭に残りやすい。子どもが自分でバカバカしい文を作るのが特に効果的です。

テクニック2:絵を描いて感情を乗せる

単語の絵を自分で描く。ヘタでも全然OK。むしろヘタな絵のほうが笑えて覚えやすいことも。「big(大きい)」なら、ものすごく大きなゾウを描いて「でかすぎる!」と笑いながら覚える。

テクニック3:驚き・発見を使う

「orangeってオレンジ色のオレンジじゃん!同じ単語なの?」「appleってアップルのリンゴだったんだ!」——こういう「へ〜!」という発見の瞬間は、感情記憶として残りやすいです。子どもが自然に気づけるよう、親がさりげなくヒントを出すのも手です。

テクニック4:体を使って覚える

「jump(跳ぶ)」を言いながら実際に跳ぶ。「run(走る)」を言いながら走るまねをする。体の動きと単語を結びつけると、感情と運動記憶の両方が使えます。特に小学生に向いています。

テクニック5:好きなキャラクターや場面に当てはめる

子どもが好きなアニメや本のキャラクターが使う場面に単語を当てはめると、「あのシーンでこの単語を使った!」という記憶になります。「○○(好きなキャラ)がhappyそうだったね」のように使うだけで十分です。

感情記憶テクニック まとめ
  1. バカバカしい例文を自分で作る
  2. ヘタでもいいから絵を描く
  3. 「発見・へ〜!」の瞬間を作る
  4. 体の動きと一緒に覚える
  5. 好きなキャラクターや場面に当てはめる

実際の例文・活動例

単語 感情を使った覚え方の例
big(大きい) 「Big head(頭がすごく大きい)」と言いながら自分の頭を大げさに示す
happy(うれしい) 「I am so happy!(めちゃくちゃうれしい)」と大げさに叫んでポーズをとる
cat(ねこ) 「A cat on my head.」と言いながら頭に手を乗せ、猫の絵を描く
run(走る) 「Run, run, run!」と言いながら部屋の中をちょっと走る
big(大きい) 「This is VERY big!(これはめっちゃ大きい!)」と大声で言う

注意点:感情記憶の使いすぎに気をつけて

ネガティブな感情には注意

怖い・つらい・恥ずかしいという感情も記憶に残りやすいですが、英語と結びつくと「英語嫌い」につながります。「楽しい・うれしい・おかしい」のポジティブ感情を意識して使いましょう。

また、すべての単語に毎回感情的な仕掛けを用意するのは大変です。「覚えにくい単語」「特に大切な単語」に絞って使うと、負担が少なくて続けやすいです。

まとめ

まとめ

  • 感情が動くと記憶に残りやすい——これを英単語学習に活かせる
  • 扁桃体と海馬の関係から、感情記憶の効果は研究でも裏付けがある(ただし過度な断言は避けること)
  • バカバカしい例文・絵・体の動き・発見・好きなものへの当てはめ、5つのテクニックが使える
  • ネガティブな感情ではなく、楽しい・おかしい感情を使うのがポイント
  • 全単語に使わず、特に覚えにくいものに絞って使うと続けやすい
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