英単語が全然覚えられない子に
試してほしい「感情記憶」活用法
何回やっても覚えられない…そんな子には、感情と結びついた記憶術が効果的です。
笑い・驚き・共感を使って単語を定着させる方法を紹介します。
「覚えられない」の本当の原因
「cat、dog、apple…」と単語カードを見せても、すぐ忘れてしまう。そんなお子さんをお持ちの親御さんはいませんか?
覚えられない原因はいくつかありますが、よくあるのが「感情が動いていないまま覚えようとしている」というケースです。脳にとって、感情の動きのない情報は「重要じゃないもの」として処理されやすく、忘れやすいのです。
逆に言えば、感情と結びついた記憶は長く残りやすい——この特性を使わない手はありません。
感情と記憶の関係
扁桃体と海馬のはたらき
脳には「扁桃体(へんとうたい)」という部位があり、感情の処理に深く関わっています。そして記憶を長期的に保存する役割を持つ「海馬(かいば)」と密接につながっています。
感情が動いた出来事(うれしかったこと・びっくりしたこと・笑ったこと)は、扁桃体が活発になり、海馬での記憶定着を促す仕組みがあると考えられています。これが「感情記憶(emotional memory)」の考え方です。
難しい話は置いておいて、実感として「感動した映画のセリフは覚えている」「笑った出来事はよく思い出せる」——これはほとんどの方に経験があるはずです。学習でもこれを使えます。
英単語学習への応用
単語を単独で「apple=りんご」と丸暗記するのではなく、笑える・おかしい・びっくりするような文脈に置くと、感情が動き、記憶に残りやすくなります。
感情記憶を使う5つのテクニック
テクニック1:バカバカしい例文を作る
「I eat a cat for breakfast.(朝ごはんに猫を食べる)」のような、ありえないけど笑える例文を作ります。おかしくて、頭に残りやすい。子どもが自分でバカバカしい文を作るのが特に効果的です。
テクニック2:絵を描いて感情を乗せる
単語の絵を自分で描く。ヘタでも全然OK。むしろヘタな絵のほうが笑えて覚えやすいことも。「big(大きい)」なら、ものすごく大きなゾウを描いて「でかすぎる!」と笑いながら覚える。
テクニック3:驚き・発見を使う
「orangeってオレンジ色のオレンジじゃん!同じ単語なの?」「appleってアップルのリンゴだったんだ!」——こういう「へ〜!」という発見の瞬間は、感情記憶として残りやすいです。子どもが自然に気づけるよう、親がさりげなくヒントを出すのも手です。
テクニック4:体を使って覚える
「jump(跳ぶ)」を言いながら実際に跳ぶ。「run(走る)」を言いながら走るまねをする。体の動きと単語を結びつけると、感情と運動記憶の両方が使えます。特に小学生に向いています。
テクニック5:好きなキャラクターや場面に当てはめる
子どもが好きなアニメや本のキャラクターが使う場面に単語を当てはめると、「あのシーンでこの単語を使った!」という記憶になります。「○○(好きなキャラ)がhappyそうだったね」のように使うだけで十分です。
- バカバカしい例文を自分で作る
- ヘタでもいいから絵を描く
- 「発見・へ〜!」の瞬間を作る
- 体の動きと一緒に覚える
- 好きなキャラクターや場面に当てはめる
実際の例文・活動例
| 単語 | 感情を使った覚え方の例 |
|---|---|
| big(大きい) | 「Big head(頭がすごく大きい)」と言いながら自分の頭を大げさに示す |
| happy(うれしい) | 「I am so happy!(めちゃくちゃうれしい)」と大げさに叫んでポーズをとる |
| cat(ねこ) | 「A cat on my head.」と言いながら頭に手を乗せ、猫の絵を描く |
| run(走る) | 「Run, run, run!」と言いながら部屋の中をちょっと走る |
| big(大きい) | 「This is VERY big!(これはめっちゃ大きい!)」と大声で言う |
注意点:感情記憶の使いすぎに気をつけて
怖い・つらい・恥ずかしいという感情も記憶に残りやすいですが、英語と結びつくと「英語嫌い」につながります。「楽しい・うれしい・おかしい」のポジティブ感情を意識して使いましょう。
また、すべての単語に毎回感情的な仕掛けを用意するのは大変です。「覚えにくい単語」「特に大切な単語」に絞って使うと、負担が少なくて続けやすいです。
まとめ
まとめ
- 感情が動くと記憶に残りやすい——これを英単語学習に活かせる
- 扁桃体と海馬の関係から、感情記憶の効果は研究でも裏付けがある(ただし過度な断言は避けること)
- バカバカしい例文・絵・体の動き・発見・好きなものへの当てはめ、5つのテクニックが使える
- ネガティブな感情ではなく、楽しい・おかしい感情を使うのがポイント
- 全単語に使わず、特に覚えにくいものに絞って使うと続けやすい
